いま、工務店にできること

こんにちは。松美建設の松浦克美です。唐突ですがみなさんは奈良の法隆寺に行ったことがありますか?

法隆寺は、日本で初めて 世界文化遺産に登録された木造建築で、1300年もの間風雪に耐えて建ち続けてきました。

僕がみなさんに伝えたいのは、その法隆寺の中門を支える柱のことなんです。

その中門の柱に近寄ってよく見るとなんと継ぎはぎだらけ。

修理が必要な箇所にパッチワークのように埋め木をしてあるのがわかります。

なぜそうしたと思いますか。

 

理由は、そんな大きな柱を丸ごと取り替えるとお金がかかることが一つ。

でも、もっと大きな理由は 創建当時の精神を伝える柱をできるだけ長く残したいと

代々の法隆寺の大工さんたちが思っていたからなんです。

日本人は柱ひとつ瓦一枚にも、心が宿ると考えていたんですね。

振り返って近年の家づくり事情はどうでしょう。作っては壊す。 廃材は思い切りよく捨てる。

いつから僕たちは、それを当たり前のようにして受け止めるようになったのでしょうか。

 

実は、僕自身もカッコいい家を作りたいとだけ考えていた時期がありました。

でもあるとき気が付いたのです。

それは、家というものは僕たちが出会うことのない未来の人たちに

僕たちの心を伝えてくれるものなんだ、ということ。

物を大切にすることは心を大切にすることだと僕は思います。

そんな思いの人間たちが集まって、ゆっくり、コツコツ歩んでいる―

それが松美建設という工務店です。