


中古住宅を購入する、或いはいま住んでいる家を改装して自分たちのテイストに合った形にリフォームしたい。若い世代にそんな動きが広がっています。
それは、これまで一般的だったクロスの張替えとか、和室を洋室に、押入れをクロゼットにといったリフォームとは違って、少し大げさに言うなら、自分を表現するためのリフォーム。古い住宅の味わいそのものまで生かしつつ、その人なりのライフスタイルを表現した住まいを、創り上げようとする動きです。


私がリフォームしたいって言った時、夫は「住めるのになんで?」という感じでした。でも、出来上がると夫も気持ちがよさそう。女の人の住まいに対する情熱って、やっぱり男性より強いのかもしれませんね。
同じことがリフォーム現場でもありました。「壁に小さなニッチを造る」って言ったら、河合さんも「はあ?」、大工さんも「ええ?」(笑)。だけどやっぱり出来上がって、私が小さい瓶なんかを飾ると「可愛いもんだなあ」なんて言ってるんですよ。
私は、使えるものを捨てるのは嫌い。だから物を買う時は慎重に買います。そのせいで、好きなものが少しずつ家の中に増えました。そういう、少しの好きなものに囲まれていたい、と言う人が、マツミのリフォームを気に入ってくれるのではないかしら。なんとなくそんな気がしています。


2006年、マツミはそんな一人の女性に出会いました。彼女は、ところどころペンキのはげたロッカーを下駄箱にしたいと言ったり、手持ちのステンドグラスをドアにはめてくれと言ったり、コンクリートの梁や換気扇のダクトを隠さずに露出したいと言ったりし、現場監督として関わった河合善行には、その言わんとするところがさっぱり理解できませんでした。
ところが彼女の言うことが徐々に形を取り始めた時、河合にはわかったのです。「あ、これは彼女の生き方そのものなんだな」と。
彼女の名前はみうちょこ。文章とイラストが得意な、マツミ唯一の女性スタッフです。


みうちょことのリフォームを経験することによって、なんの変哲もない中古住宅が、住む人の個性に合った空間に変わることの面白さにめざめた、マツミの面々。もう、普通のリフォームができなくなってしまいました。
めざしているのは、住まい手にすっと馴染み、どこか懐かしい匂いのする、やさしい空間です。どんなリフォームなのか、見てみたくなったあなたはフォトギャラリーでどうぞ。