
古材に新しい命を吹き込む。築70年古民家リノベーションの現場から。大工の技で再生する、自社工場の強み
名古屋市で築70年以上の古民家をリノベーションしています。
古い建物を直す仕事は新築と違って「予定通りにいかない」ことの連続です。そんな時はみんなで知恵を出し合い、その時のベストを尽くして作業を進めていきます。
今回も当初は敷居兼用の足固めとして残すつもりだった部材が、想像以上に傷みが進行しており、どうしてもそのままでは使えませんでした。
それが下の赤い矢印で示した部分です。
それでも私たちは、すぐに「廃棄」という判断はしません。
「どこかで活かせないだろうか」「捨てるのはもったいない」──そう考えるのが、マツミのものづくりの姿勢です。
傷んだ木材を外し、自社工場へ持ち帰り、大工が丁寧に加工を行うことにしました。
今回の木材は、表面や端の部分がかなり痛んでいましたが、内部はしっかりと健全な状態を保っていました。
また、大きな部材であったため、健全な部分を活かして加工することが可能でした。
丁寧に手を加え、削り、整え…。
その結果、役目を終えかけていた部材は、仏框(ぶつかまち)として新しい姿に甦りました。
単に廃材として処分するのではなく、価値ある部分を見極め、丁寧に手を加えて再生することも私たちの大切な役割だと思っています。
仏框(ぶつかまち)とは?
仏框とは、仏間や床の間の出入り口に取り付ける横木のことです。
床と畳との境目をきれいに見せたり、踏み込み部分を補強したりする役割があります。
このような仏間での矢印で示した部分に使われています。(画像は新築K様邸施工事例より)
特に古民家や和室では、床の間や仏間は「家の中で格式の高い場所」とされてきました。そのため仏框には、
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耐久性がある木材
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見た目にも美しい仕上がり
が求められます。
今回の工事では、役目を終えかけていた既存材を加工し直し、この仏框として再利用することに決めました。
単なる部材の再生にとどまらず「住まいの中でも大切な場所に使われる部材」として甦えらせたことに、70年以上頑張って家を支えてきた木への敬意の気持ちを込めています。
自社工場があるからできること
マツミには、自社工場と経験豊富な大工がいます。
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傷んだ古材も再加工して活用できる
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工場での精度の高い加工が可能
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工夫次第で新しい価値を生み出せる
こうした強みを活かし、古民家リノベーションにおいて「古いものを大切に、活かす」ことを実現しています。
古民家リノベーションの魅力
古民家再生は、単なる修繕ではありません。
そこに宿る「想い」や「歴史」を引き継ぎながら、新しい価値を加えて未来へつなぐ仕事です。
一度は不要とされた古材が、再び家の大切な一部として息を吹き返す。
それは、木を大切にする心と、大工の工夫と技術があってこそできることです。
私たちマツミは「モノを大切にし、工夫で新しい価値を生み出す」ことを大事にしています。
これからも古民家リノベーションを通じて、住まいに込められた想いを未来につなげていきます。
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