◆日々徒然・結婚後の姓に不動産名義を変更する方法|必要書類と手続きの流れを解説

2024/10/12(土) 日々徒然

旧姓のままの不動産名義を結婚後の姓に変更する方法

ある日のこと。ふと、結婚前に契約したマンションの名義が旧姓のままだったことを思い出しました。旧姓で記載された固定資産税の通知書が来るたびに「旧姓でいいのかな?」と疑問に思っていたものの、そのまま何年も放置してしまっていました。しかし、ある日突然、「そういえば、このままで大丈夫かな?」と急に不安になり、将来的なことを考えると、名義を旧姓のままにしておくと、あとで家族に余計な手間をかけることになるかもしれないと思いました。

調べてみると、不動産の名義変更はやはり必要だということが分かり、手続きを進めることにしました。この記事では、その名義変更の理由や手続き方法について解説します。実際に私は自分で手続きを行いましたが、思ったよりも簡単だったので、同じような状況にある方にも参考にしていただければと思います。

なぜ名義変更が必要?

結婚後に苗字が変わっても、不動産登記の名義は自動的に変わりません。自分で手続きを行わない限り、登記は旧姓のままです。「そのままで問題ないんじゃない?」と思うかもしれませんが、将来的にはトラブルになる可能性があります。たとえば、不動産を売却する際に、もし現在の氏名が登記に記載されている名前と異なっている場合「本人だ」と主張しても法務局は登記上の所有者と同一人物と認めません。苗字が変わった場合は、氏名変更の登記を行い、法務局が同一人物であることを確認できる状態にしておく必要があります。また、2026年より氏名の変更があった場合の名義変更が義務化されるようです。

  1. 2026年4月から義務化
     2026年4月から「改正不動産登記法」により、名義変更が義務化されます。変更があった日から2年以内に手続きをしないと、5万円以下の過料を科される可能性があります(改正不動産登記法第76条の5/第164条2項)。

  2. 相続や売却時の混乱を避けるため
     将来、相続や売却が発生した場合、旧姓のままだと手続きが複雑になり、家族に迷惑がかかる可能性があります。そうならないためにも、早めに変更しておくことが賢明です。

 

不動産名義変更手続きの流れ

結婚後の旧姓からの名義変更手続きはやってみると思っていたよりも簡単でした。自分で行うことも可能なので、特に難しく感じる必要はありません。

不動産名義の変更は、登記簿上の所有者の名前を変更する「登記名義人変更登記」と呼ばれる手続きです。この手続きには、法務局での申請が必要となりますが、窓口へ出向かなくても郵送でも受け付けてくれるのでちょっと手軽。以下の流れで手続きを進めていきます。

  1. 管轄の法務局を確認しよう

    • まず、該当不動産が所在する地域を管轄する法務局を確認します。法務局のホームページや窓口で確認が可能です。
  2. 必要書類を準備しましょう

    • 次に、必要となる書類を揃えます。以下が基本的に必要となる書類です。

必要書類一覧

「登記申請書」

  • 法務局のホームページからダウンロードすることができます。記入例も用意されていますので、参考にしながら正確に記入します。

登記申請書のひな型

登記申請書サンプル

「住民票」

結婚後の新しい姓が記載された住民票が必要です。これにより、旧姓から新姓への変更が確認できます。役所で取得します。

「戸籍謄本」

戸籍謄本は、旧姓から新姓に変更された事実を証明するために必要です。結婚に伴う姓の変更であることを確認するため、役所で取得します。

「不動産の権利証または登記識別情報通知」

不動産を購入した際に発行された権利証や、現在の登記識別情報を手元に用意する。これらに記載された情報をもとに登記申請書に記入していきます。

「認印」

手続きには認印が必要です。申請書類への契印と押印に使います。法務局へ出向くときは必ず持参してください。

 

登記手続きの費用

この手続きにかかる費用は基本的に登録免許税だけです。名義変更の場合、固定資産評価額の計算は必要なく、かかる費用は1,000円~2,000円程度(印紙代)です。法務局で直接手続きを行う場合は収入印紙を購入して支払います。郵送の場合はA4用紙に収入印紙を添付して書類とともに送付します。

なお、申請手続きを自分で行わず司法書士事務所に登記名義人氏名変更を依頼する場合の費用の概算は、3万円前後が目安です。

手続きの進め方

書類が揃ったら、管轄の法務局に書類を持参するか、簡易書留郵便で申請します。登記申請書は法務局の窓口でチェックしてもらうこともできるので、心配な方は事前に確認を依頼することも可能です。

まとめ

長年手つかずだった名義変更手続きは、少し面倒に感じるかもしれませんが、思い立ったらすぐに行うことで、将来の不安を取り除くことができます。特に、2026年4月以降の義務化に向けて早めの対応が重要です。実際に必要な書類や流れを確認してみると、比較的簡単に行うことができます。自分で手続きをすることで、手数料も抑えられるので、同じように結婚後に名義変更が必要な方は、ぜひご自身でチャレンジしてみてください。法務局のホームページに分かりやすく記されています。

 

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